症例紹介

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動物
症状
嘔吐食欲がない
傷病
腸閉塞(異物)、胃・腸切開軟部外科

犬 腸閉塞 胃・腸切開術(胃・腸内異物摘出)

トイ・プードル 8ヶ月齢 未去勢オス 3.6kg

マスクを誤飲してから、何度も嘔吐した、誤飲したマスクの一部しか出てこない、吐物に血が混じるとの主訴で来院

症例は腹部触診痛が強く認められ、頻回の嘔吐と脱水で消耗していた

レントゲン検査では、目立った異常は認められませんでした(画像1)

腹部超音波検査にて、胃と十二指腸と空腸(小腸)に異物による腸閉所見(腸がクシュクシュっと束ねられていてとても危険なサイン)を認めた(画像2)

即日、緊急手術を実施し、幽門(胃の出口)から十二指腸、空腸に腸閉塞所見が認められた(画像3)

胃、十二指腸、空腸の切開し、異物を摘出した(画像4:異物により腸が重度に損傷し、腸が穿孔するギリギリの状態であった)

誤飲したと思われていたマスクはなく、摘出した異物はいつ誤飲したか不明な子供のおもちゃであった(画像5:プラスチックと紐)

術後に麻痺性イレウスが認められたが内科治療で改善し、術後5日目に無事に退院し、順調に回復した

 

犬・猫の誤飲はとても多く遭遇します

犬・猫にとって中毒となる食べ物や植物などだけでなく、身の回りの誤飲してしまう可能性のある物にも、是非ご注意下さい

今回のケースは飼い主が異物を誤飲したのに気付き、嘔吐した際にすぐに受診し、検査から診断、緊急手術までスムーズに行えたため、救えることができました

しかし、紐状異物は大変危険です

発見が遅れると腸が壊死・穿孔し(穴があき)、腹膜炎を起こし、場合によっては命を落とすケースもあります

誤飲した場合、様子をみることはとても危険な場合があります

必ず早期に受診し、適切な処置を受けてください

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