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前十字靭帯断裂整形外科

犬 前十字靭帯断裂 脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)

チベタン・スパニエル 15歳2ヶ月齢、避妊メス、6.2kg

数ヶ月前から続く、右後肢跛行を主訴に来院

歩行検査にて右後肢の部分的負重性跛行を認めた

整形外科学的検査にて、シットテスト(お座り試験)陽性、メディアルバトレス(関節包内側線維性肥厚)、脛骨圧迫試験陽性、脛骨前方引き出し試験陽性、クリック音を認めた

レントゲン検査にて膝関節の変形性関節症、ファットパッドサイン(関節液増量所見)、脛骨の前方変位を認めた

血液検査CRP(炎症マーカー)値は正常であった

整形外科学的検査とレントゲン検査にて前十字靭帯完全断裂と診断した

跛行の原因は前十字靭帯断裂とそれに伴う半月板損傷疑い、変形性関節症によるものと考えられた

 

術中所見として、断裂した前十字靭帯断端は鈍化しており、慢性経過であると判断した

また、内側半月板の損傷を認めたため、内側半月板の部分摘出を実施した

術後7日目より、患肢への負重も認められ、徐々に跛行も改善し、

術後1ヶ月目には手術前よりも跛行スコアが改善傾向した

 

前十字靭帯断裂は比較的多く診断する機会のある、後肢跛行の原因となる疾患です

放置すると変形性関節症の進行や半月板損傷を起こします。

現在、様々な手術による治療(TPLO・TTA・CBLOなどの骨切り術、関節外制動術など)が行われています

重要なのことは、跛行の原因をしっかりと見極め、適切に治療することです

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