症例紹介

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呼吸器疾患短頭種気道症候群

犬 短頭種気道症候群 呼吸困難/熱中症 

フレンチ・ブルドック 2歳10ヶ月 メス 10.3kg

短頭種気道症候群による呼吸困難と熱中症の既往歴あり、

いびき、いびき様呼吸、興奮時の重度呼吸困難、嘔吐などを主訴に来院、短頭種気道症候群と診断し、外科的治療を実施した

一般的に短頭種気道症候群には3つの病変部位が手術適用となります

 

外鼻孔狭窄(画像1:外鼻孔(鼻の穴)が狭い)

軟口蓋過長(画像2:軟口蓋が長く、空気の通り道を塞ぐ)

喉頭小嚢外転(画像3:出っ張った組織により気道が狭い)

 

本症例も術前のレントゲン検査および手術時の検査所見より、3つ(外鼻孔形成術、軟口蓋切除術、喉頭小嚢切除術)の手術を実施した

画像4:外鼻孔(鼻の穴)が広がった

画像5:組織を切除し、気道の閉塞と狭窄を解除した

 

麻酔直後より、呼吸状態は安定し、興奮しても呼吸困難を起こすことはなくなった

本症例は興奮しやすい性格でもあったため、手術当日に退院した

術後、嘔吐などの消化器症状も改善し、活動性も改善した

 

術前レントゲン画像:軟口蓋過長部が喉頭蓋よりも長く、気道内に吸引されている

 

術後レントゲン画像:軟口蓋過長部が短くなった

 

3つの部位からそれぞれ切除した組織

 

短頭種気道症候群は症状に差(グレード)は様々ですが、全ての短頭種にリスクがあります

特にブルドック、パグ、ボストン・テリア、ペキニーズなどの犬種が外科手術対応となるケースが多いです

症状としては、いびき、いびき様呼吸、呼吸困難、運動不耐性、チアノーゼ、熱中症、失神などです

症状が進行すると二次的に喉頭虚脱などを合併し、より症状が重篤化し、その他の手術が必要となる場合があります。

よって、慢性経過による二次的な病態を生じる前(2歳齢より前)に、手術を受けた方が予後が良いとされます。

さらに短頭種気道症候群では嘔吐などの上部消化器疾患が合併していることも多く、外科手術後は多くの症例(80%以上)で症状が消化器症状が改善するとされます。

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