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犬 後肢骨折(脛骨近位成長板骨折) 骨折整復(ピン&テンションバンドワイヤー・TBW法)
トイ・プードル 4ヶ月齢 メス 3.8kg
椅子への飛び乗りに失敗し受傷、右後肢跛行を主訴に来院されました
右後肢を挙上した跛行を認めました
右膝関節の軽度腫脹と疼痛がありました
レントゲン検査にて脛骨近位成長板骨折の骨折と診断しました
膝を伸展した状態のレントゲン画像のみでは、非常にわかりにくい骨折です(画像1・2・3)
膝を屈曲した状態のレントゲン画像(ストレス撮影)(画像4・5)を撮影することで、骨折の診断が容易になります
脛骨近位成長板骨折のため、骨片が上方に移動していることが確認できます(画像4)
成長板骨折は、受傷後数日以内の骨折整復手術が必要です!
通常、成長板骨折はピン(K-wire)やテンションバンドワイヤー(TBW・C-wire)で整復します
本ケースもピンとTBW法による整復術にて治療しました
手術後は運動制限のみで、外固定や包帯などは必要ありません
手術翌日には跛行は改善し、術後2日目に退院しました
術後4週目に骨癒合し、インプラント(ピンとワイヤー)を除去しまた
成長板骨折は比較的まれな骨折ですが、珍しくありません
成長板骨折は診断ができなかったり、軽度な跛行と様子を見てしまうと、数日で骨の変形癒合が進み、非常に厄介な合併症を起こします
すぐに動物病院を受診しましょう
特に小型犬は日常の生活の中で、ちょっとした高さへの昇降に失敗し、骨折してしまいます
フローリングには滑り止めを敷く(カーペットなど)、ソファーや椅子などに昇降をさせない等、普段から骨折事故が起きないよう、気をつけて下さい