症例紹介

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呼吸器科
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肺腺癌腫瘍

犬 肺腺癌 肺葉切除術

ミニチュア・ダックスフンド 13歳6ヶ月齢 避妊メス 7.4kg

最近よく咳き込むようになり、ご来院されました

聴診・触診などの一般身体検査では目立った異常なし

レントゲン検査を実施たところ、左肺後葉に5cm大の腫瘤性病変を認めました(画像1・2)

エコー検査でも充実性の腫瘤を認め、原発性孤立性肺腫瘍を疑いました(画像3)

追加の精密検査として、CT検査、針吸引検査を提案しましたが、今回はメリットとリスクを話し合った結果、院内の全身スクリーニング検査後、手術にて治療・診断を進めることとなりました

全身のスクリーニング検査で異常はなかったので、

左肺後葉の肺葉切除術(肺腫瘍切除術)を実施しました

術後2日間、胸腔チューブによる持続的胸腔ドレナージ管理を行い、術後4日目に退院としました

摘出した肺の腫瘤は、病理診断にて、肺腺癌(乳頭状型)と確定しました

本症例はやや腫瘍が巨大でしたが、完全切除できており、良好な予後が期待できます

肺腺癌は転移能がある腫瘍であり、血行性/リンパ行性のリンパ節転移や遠隔臓器転移、経気道性の肺葉間転移、胸膜浸潤などさまざまな様式で転移が起こり得ます

今後は定期的な経過観察が必要です(画像4・5)

再発や転移がなく、元気に長生きしてくれると嬉しいです

 


肺腫瘍

肺腫瘍には原発性腫瘍転移性腫瘍があります

犬猫では原発性肺腫瘍よりも転移性肺腫瘍の方が多く、原発性肺腫瘍の中で最も多い腫瘍が腺癌です

肺腫瘍の多くは悪性ですが、早期発見による完全切除により、根治が望めます

原発性肺腫瘍に関連した臨床症状として多いのはですが、約30%の症例は臨床症状を呈さないこともあり、診断には画像検査重要です

病気の早期発見のためには、画像検査はとても重要です

年に1〜2度の健康診断に血液検査だけでなく、画像検査を加えて頂くこともお勧め致します

気になるご様子がありましたら、お気軽にご相談ください

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