症例紹介

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動物
症状
目が赤い眼科
傷病
悪性黒色腫腫瘍

犬 悪性黒色腫(眼) 眼球摘出術

マルチーズ 12歳2ヶ月齢 去勢オス 4.3kg

1ヶ月前から眼が充血し、前日より黄色眼脂が出て、目を眩しそうにしている(羞明)を主訴に来院しました

身体検査にて重度の強結膜の充血、虹彩および結膜下・胸膜に黒色腫瘤を認めました(画像1・2・3)

さらに各種眼科検査にて、眼内の腫瘤病変(悪性黒色腫疑い)による緑内障、結膜炎と診断しました(画像4・5)

罹患眼の右眼の視力は消失しており、確定診断および根治的治療には眼球摘出術が必要なことをご説明しました

後日、手術の同意が得られたので、眼球摘出術を実施しました

眼球摘出後に手術部が凹み、外貌が変化してしまうのを最小にする処置を施しています

術後の状態が安定しておりましたので、今回は日帰り手術としました

術後2日目、再診時の外貌

元気食欲、一般状態も良好です

 

病理診断にて、切除した眼球は悪性度の高いのぶどう膜の悪性黒色腫(悪性メラノーマ)と確定しました

手術時の肉眼所見は完全摘出でしたが、腫瘍細胞は核異型・細胞異型が中程度に認められ、核分裂も多く、一部では強膜外の周囲組織に浸潤しており、腫瘍辺縁部切除の可能性があるとのことでした

本症例は局所再発や転移などの入念な経過観察が必要です

今後の再発・転移がなく、長生きしてくれるとを願い、しっかりと診させて頂きます

 

眼の腫瘍でもっとも発生頻度が高い腫瘍が黒色腫(メラノーマ:メラノサイト由来の腫瘍)です

通常は片側のみので両側に発生することは稀です

犬の眼のメラノーマは通常良性とされますが、メラノーマは発生部位により挙動が異なります

20%が悪性といわれ、術後の局所再発や遠隔転移などを警戒しなければなりません

眼を摘出することは、飼い主様にとって非常に悩ましい選択かと思いますが、

眼球摘出により多くのケースで根治を望めます

日頃から愛犬愛猫とスキンシップをとり、しこり(腫瘤)や異常を見つけ場合は、様子をみすぎることなく、早めに動物病院にご相談ください

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